|
献詩
�� Though time be fleet, and I and thou Are half a life asunder, Thy loving smile will surely hail The love-gift of a fairy-tale.
Though time be fleet, and I and thou / Are half a life asunder, というところだが、訳によって歳の差のことととらえていたり、離れている期間ととらえていたりする。 「鏡」が書かれた時、キャロルは39歳、アリス・リドルは19歳で、確かにほぼ倍の歳の差だが、時の流れとの関係で考えると、むしろ過去に遡るほど半分より割合は大きくなるし、未来に向かうほど小さくなる。20歳という歳の差そのものは時の流れと関係なくずっと変わらないからだ。 つまりこの場合は、「たとえ時の流れが速くても、そして（未だに）半生の歳の開きがあっても」ということになる。 一方、期間の方だが、キャロルとアリスが疎遠になり始めたのはキャロル31歳、アリス11歳の時ぐらいらしいので、それからだと８年間でしかない。 ただ、アリスの人生の、ということなら半分とはいかなくても近いところまでいくし、キャロルがアリスに出会ったのがキャロル24歳、アリス３歳（すぐ４歳になる）の時なので、その出会うまでの４年と合わせれば12年ぐらいで、半分をやや超えることになる。それにこの割合は疎遠が続くなら、時の流れとともに値が大きくなっていく。 つまりこの場合は「たとえ時の流れが速く、（すでに君の）半生の間、（私と）離れ離れであっても」ということになる。 もっとも、そんな計算をしなくても、ただ、ずいぶん長いこと会っていないけれど、というのを詩的に、あるいは大げさに表現しただけかもしれない。 さて、どうなんだろう。 |