チェスの進行

 

�� 棋譜の表記法には代数式と記述式があって、原典では記述式で書かれているが、現在では国際チェス連盟が代数式を採用しているし、そちらの方が分かりやすいので、そう直したものにしてある。たいていの訳でもそうしているようだ。

 先手と後手に分けてあるが、きちんと白赤順ではないし、それぞれの駒の動き方はチェスのルールに則っているものの、ゲームの進め方は必ずしもそうではない。

 アリスはポーンとしてひたすら真っ直ぐ進み、最後にクイーンとなって、1手だけ赤のクイーンを取る動きをする。

 

�� 「8. 後手 赤のクイーン、e8へ(審査)」は原典では “8.R.Q.to K's sq.(examination)” となっている。つまり「Kのマスへ=eのマスへ」ということなのだが、その時、赤のクイーンはh5にいるので、「eのマスへ」というだけならe8に進む以外にe2に戻る指し手も考えられる。戻る指し手は考慮されないだろうとう判断したか、examination(審査)で分かるだろうと思ったのかな。

 

�� 当初の版では進行図の前に登場人物表が載っていたが、後の版で削除されている。

 内容的にはこういったもの。

 

登場人(動、植)物

(ゲームが始まる前の配置)

=========================

 

白

 

 

赤

 

駒

ポーン

ポーン

駒

トゥイードルディー

ヒナギク

ヒナギク

ハンプティ・ダンプティ

ユニコーン

ウサキチ

お使い

大工

羊

牡蠣

牡蠣

セイウチ

白のクイーン

「リリー」

オニユリ

赤のクイーン

白のキング

子鹿

バラ

赤のキング

老人

牡蠣

牡蠣

カラス

白のナイト

ボゥシャ

カエル

赤のナイト

トゥイードルダム

ヒナギク

ヒナギク

ライオン

 

 すべての駒を並べた時の最初の並べ方を示していて、左に90度傾けると進行図と同じ向きになる。

 するとキングとクイーンの並びは特に鏡写しではなく、通常通りであることが分かる。

 また、ナイトの一方は、白がユニコーン、赤が大工。ルークは白がトゥイードルディーとトゥイードルダム、赤がハンプティ・ダンプティとライオン。ビショップは白が羊と老人、赤がセイウチとカラス、ということになる。

 カラスや老人がビショップなのに、ボウシャやウサキチはポーンだ。

 羊は物語中、白のクイーンが変化するように書かれているが、ここでは別々だ。

 実際にこの内容で作られたチェスセットはあるんだろうか?

 いずれにしても、アリスと赤白それぞれのキングとクイーンとナイト以外は、そういった駒の役目として物語に登場するわけではないし、進行図のf1にずっといる白のルークは誰なのかといった問題も出てくるので(ディーもダムもアリスはd4で出会うのだから)、混乱の元になるということで削除したのだろうと言われているようだ。

 

 ホーム 次へ