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CHAPTER 2. THE GARDEN OF LIVE FLOWERS
�� live frowers だが、日本語で単に「生きている」だと、花はもともとみんな生きているので何かしら工夫がいるだろう。
�� アリス・リドルの妹イーディスのさらに下の二人の妹ローダとヴィオレッタにちなんでバラ（ローズ）とスミレ（ヴァイオレット）を登場させているとのことだが、主人公のアリスよりずっと幼いような性格付けはしていないようだ。 スミレは若干そんな感じもあるが、実際に作品が書かれた時、ローダは主人公のアリス（七歳）より年上になっていたし、ヴィオレッタでさえ同い年ぐらいになっていたせいもあるかもしれない。 また、そのような言葉遊び的な理由で登場する花たちなので、実際の開花時期は考慮されていないようだ。 ヒナギクは２〜５月、オニユリは７〜８月、バラは５〜11月といろいろで、スミレは３〜５月が本来の開花時期だ。 作中の日付とされる11月に咲くのはバラだけで、鏡の中だから反対の季節の５月だとしても、オニユリは時期から外れる。 オニユリを特別と見ることもできるが、季節的なことは特に設定していないのだろう。
��『鏡』では『フシギ』と違ってアリスの身長は変わらない。 花の大きさも特に大きいとは書かれていないが、テニエルの挿絵が遠近表現で手前の花が大きく書かれているせいか、他の画家の挿絵ではかなり大きく書かれていることもある。 ディズニーのアニメでは花たちとのシーンでアリスが小さくなっている設定なので、そちらを見たことがあるとちょっと大きく想像しがちだ。
�� 花たちの言うアリスの花びら（petals）とは髪の毛のことを指しているようなのだが、はじめは形状からスカートのことかと思ってしまった。
��“There's one other flower in the garden that can move about like you,”said the Rose.“I wonder how you do it――” […] “You can't possibly do that,”said the Rose:“I should advise you to walk the other way.”
バラはアリスもクイーンも花と見て、歩き回ることをはじめは move about と言っていたが、アリスに忠告する時 walk という言葉を使っている。本来ならここも move を使うところではないかと思った。
�� 赤のクイーンはその色とクイーンであることから『フシギ』のハートの女王を連想させるが、礼儀にはうるさいものの、ハートの女王とは違ってむしろ親切だ。 ディズニーアニメのハートの女王のセリフやチェシャ猫のセリフには赤のクイーンの発言が混じっている（「陛下」と言っておじぎをしなさい、とか、すべて女王の道だ、など）。 また、映画『アリス・イン・ワンダーランド』に登場する赤の女王は、赤の女王と呼ばれてはいるものの、チェスとは関係なく、キャラクター的にはハートの女王で、従えているのも赤の騎士団（Red Knights）と呼ばれてはいるが、ハートのマークを付けたトランプ兵たちだ（白の女王の方は兵隊も含めてチェスのイメージ）。 セリフを取られたり、名前だけ借りられたりと、けっこう不憫な存在である。 ところで、前に見た時は小さなチェスの駒だったので、大きくなって現れたクイーンにアリスはびっくりするが、アリスより「頭半分背が高い」だけなので、普通の人間として見れば、むしろ背はかなり低い。
�� […] she added in a kinder tone.“Curtsey while you're thinking what to say, it saves time.” Alice wondered a little at this, but she was too much in awe of the Queen to disbelieve it.“I'll try it when I go home,”she thought to herself,“the next time I'm a little late for dinner.”
save time は「時間を節約する」だが、save には「〜の時間に遅れないようにする、間に合わせる」（主に英）といった用法があるので、アリスはそのようにとって、dinner に遅れた時にためしてみようと言っているのだろうと思う。違うかな。
�� The Red Queen shook her head.“You may call it‘nonsense' if you like,”she said,“but I've heard nonsense, compared with which that would be as sensible as a dictionary!”
辞書ぐらい sensible な nonsense というのはただのナンセンスなセリフにも思えるが、キャロル自身のジョークについてのことを言っているようにも見える。 すると nonsense の訳は「ナンセンス」にするべきだろうか。
��“I'd rather not try, please!”said Alice.“I'm quite content to stay here―only I am so hot and thirsty!” “I know what you'd like!”the Queen said good-naturedly, taking a little box out of her pocket.“Have a biscuit?” […] “Thirst quenched, I hope?”said the Queen.
thirsty はのどが渇くに限らず渇望、切望、強く望むといった意味になるので、渇きをおぼえていないクイーンがアリスは食べ物を欲していると勘違いした（？）というギャグで、Thirst quenched も、渇望が癒されたという意味になるのだろう。
��“At the end of two yards,”she said, putting in a peg to mark the distance,“I shall give you your directions―[…] […]“At the end of three yards I shall repeat them―for fear of your forgetting them. At the end of four, I shall say good-bye. And at the end of five, I shall go!” At the two-yard peg she faced round, and said,[…] At the next peg the Queen turned again, and this time she said[…]She did not wait for Alice to curtsey, this time, but walked on quickly to the next peg, where she turned for a moment to say“Good-bye,”and then hurried on to the last.
赤のクイーンのモデルはリドル家の家庭教師のミス・プリケットとも言われているようなので、地面を測って区切りごとにコメントを加えていくというのは、いろいろきっちりとしてやかましい様子をユーモラスに表現したものかとも思うが、忘れないように説明を繰り返すと言っていたのに、同じ内容ではなくて別の注意を与えているのは風刺なんだろうか。
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