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CHAPTER 7. A MAD TEA-PARTY
�� ヤマネ(Dormouse)はネムリネズミとも言うし、英語でも mouse が入っているからかネズミのように描いた挿絵もあるが、しっぽにも毛が生えていて、リスの方がイメージは近いかと思う(リス亜目に分類されたりもする。亜栗鼠?)。 岸本佐知子氏は『気になる部分』の中で、「リスなんかの百倍かわいい」(「オオカミなんかこわくない」)と書いている(そのあとヒドイことも書いている)。 ディズニーアニメの Dormouse は猫を怖がるなど、ほぼネズミそのもののキャラクター。 映画『アリス・イン・ワンダーランド』の Dormouse もかなりネズミっぽい。おまけに原作のようなねぼすけではなくてやたら活動的なので、はじめヤマネだとは思わなかった。大西小生氏によれば、「ナルニア国」のリーピチープの引用だ、とのこと。
�◆�No room! No room!”they cried out when they saw Alice coming.“There's plenty of room!”said Alice indignantly, and she sat down in a large arm-chair at one end of the table.
アリスは三月ウサギに出会うまでちょっとびくびくしていた割に、いきなり態度が変わっている。 理不尽と思うと抵抗せずにいられないのだろうが、公爵夫人のカエル召使との会話でいいかげん嫌になっていたせいもあるだろう。
ところでアリスは三月ウサギとヤマネはともかく、帽子屋を帽子屋だと確信していただろうか。 値札付きの帽子を被っているし、そうだろうと思っていたのではないかとは思うが、帽子屋が帽子屋だと名乗るのは11章の裁判のシーンが最初。
��“Have some wine,”the March Hare said in an encouraging tone. Alice looked all round the table, but there was nothing on it but tea.“I don't see any wine,”she remarked. “There isn't any,”said the March Hare. “Then it wasn't very civil of you to offer it,”said Alice angrily. “It wasn't very civil of you to sit down without being invited,”said the March Hare.
アリスはありもしないワインを勧められて怒るが、そもそも子供なのにワインを勧められたということについてはどうなんだろう。それも含めて怒っているのか、それとも子供用のワインというものでもあったんだろうか?
また、三月ウサギに言い返されるセリフの being invited はパーティへの招待と言うより椅子をすすめられることではないだろうか。そもそもそんな正式なものでもないし。 中村妙子氏ぐらいしかそういった訳にはしていないが。
�� Alice considered a little, and then said“The fourth.”
1章のところでも書いたが、5月4日はアリス・リドルの誕生日で、『鏡』の記述から逆算すると、作中のアリスの誕生日でもあるようだ。なのに今日が何日かちょっと考えてしまったのは、これが書かれた時点では特にそういった設定ではなかったのだろうと思っている。 あるいはこの世界に来てのアリスの物忘れの一つだろうか。
�� Alice had been looking over his shoulder with some curiosity.“What a funny watch!” she remarked.“It tells the day of the month, and doesn't tell what o'clock it is!” “Why should it?”muttered the Hatter.“Does your watch tell you what year it is?”
帽子屋の時計は時計と訳すのもはばかられる。本来なら日計か、少なくとも「時計のような物」止まりだろう。 一見して懐中時計といった形のようだが、丸い文字盤が31分割されているのだろうか? 言葉では簡単だが実物は想像しにくい。 そもそも帽子屋によれば時間が止まったのは2カ月前(何故か日は過ぎる。デジタル世界か?)。それ以降に製作されたか改造されたか。それ以前はどうだったのか。 三月ウサギがバターを使ったのは時計を日計に改造した時かもしれない。 帽子屋は時計について聞かれた時、はっきり答えようとしていないが、それは自分が招いたことへのうしろめたさがあるせいだろうか。 作場知生氏のイラストでは1番外側に1〜31までの日にち表示があって、長針が2を指し(2日狂っているので)、その内側に1〜12(JAN〜DES)の月表示があって、短針が7(JUL)を指しているように描かれている。 ところでそもそもアリスの時計というものはないだろう。
�� “I think you might do something better with the time,”she said,…
do something better with the time は時間を操るの意にもなる。これが帽子屋の発言につながっていく。
ところでビッグ・ベンに大時計が設置されたのは1859年、『フシギ』出版の6年前、キャロル26歳の時。
�А�If you knew Time as well as I do,“said the Hatter,“you wouldn't talk about wasting it. It's him.”
waste には「やっつける」とか「ぶちのめす」とかの意があるようだ。ただし(主に米)とのことなのであまり関係ないかも。
�─�Of course you don't!”the Hatter said, tossing his head contemptuously.“I dare say you never even spoke to Time!”
この章のテニエルの最初のイラスト(テーブルに四名)は、収められている位置から帽子屋がアリスに髪の毛のことを言ったところか、そのすぐ後のなぞなぞを出したシーンと捉えられているように思うが、テニエルの心づもりではこの発言のシーンだったんじゃないかという気がする。 帽子屋は身を乗り出して得意そうだし、toss his head しているようにも見えるからだ。
��“Perhaps not,”Alice cautiously replied:“but I know I have to beat time when I learn music.” “Ah! that accounts for it,”said the Hatter.
アリスが持ち出した音楽のレッスンの話題が帽子屋の語る大音楽会の話につながっていくのだが、訳では出せていない。 帽子屋はアリスが beat time するから Time と仲良くなれないんだと言うくせに、自分はそれをしなかった(うまくできなかった)せいで女王様に He's murdering the time! と言われ、Time を怒らせてしまったらしい。 Time は帽子屋の言うことを聞かないのなら普通に進んでいれば良さそうだが、帽子屋がお茶嫌いというわけでもないのに(むしろ好きそう)、なぜか時間を6時で止めてしまった。女王様の発言が6時のことだったのか、自分を殺したらどうなるかの見せしめか、好きなものも度を越せば嫌になるからか、どうなんだろう。 そして物語の最後、アリスが目覚めると実際にお茶の時間である。
��“But what happens when you come to the beginning again?' Alice ventured to ask.
一周したらどうなるのか?とアリスは聞くが、そもそも席替えで新しいカップを手に入れるのは帽子屋だけのようだから、大差ないかも。
��“I'm afraid I don't know one,”said Alice, rather alarmed at the proposal.
アリスは基本的に正直で嘘はつけないぐらいの性格だが、ここでは例外的に嘘を言っている。 いろいろお話は読んで知っているはずなのだ。
�� Alice did not quite know what to say to this: so she helped herself to some tea and bread-and-butter, and then turned to the Dormouse, and repeated her question.“Why did they live at the bottom of a well?”
bread-and-butterはどうやらトーストではないらしい。
アリスはヤマネに、どうして三姉妹は井戸の底に住んでいたのかとたずねるが、今アリスたちのいるところ、つまりフシギの国そのものが井戸の底だとも言える。
��“But i don't understand. Where did they draw the treacle from?”
アリスは井戸の中にいるのにどうやって汲み上げるのかとヤマネにたずねるが、トーベ・ヤンソンのイラストでは井戸の底に高床式の小屋を建てていて、これなら問題なく汲み上げられそうだ。
��“But they were in the well,”Alice said to the Dormouse, not choosing to notice this last remark. “Of course they were,”said the Dormouse:“well in.”
well in は in the well を引っ繰り返したような言い返しになっていて、意味は普通に捉えると、「じゅうぶん中に」ということのようだが、気になるのが、『英辞郎』には「金持ちで」とか「人気のある」などという意味も載っているのと、be well in with〜 で、「〜とうまくいっている、仲が良い」という意味にもなるというあたりで、もしかして、言っていることの意味もはっきりしないセリフだとか、全く会話になっていない受け答えだとか、そういったことじゃないんだろうか? そう思っていたところ、日本ルイス・キャロル協会の佐藤正明氏が「well in は『金持ち、仲が良い、人気がある』の意味だが、ここでは駄洒落で混乱させている」と発表されて、
アリス「でも井戸の中にいたんでしょ」 ヤマネ「もちろん、いと仲が良かったんだよ」
という訳を提案された。拙訳はほぼ丸写し。 考えすぎではないかという意見もあるが、どうだろう。 ごろ合わせ自体は「ど
��“Really, now you ask me,”said Alice, very much confused,“I don't think――”
この confused はアリスの物言いが「曖昧」の意味じゃないかと前に書いたが、これは違うようだ。
�� Once more she found herself in the long hall, and close to the little glass table.
この時アリスは60センチぐらいの背丈しかないはずなので、本当ならガラスのテーブルは相対的には大きく、そのままでは鍵に手が届くかどうかというところだったはず。
�� Then she set to work nibbling at the mushroom (she had kept a piece of it in her pocket) till she was about a foot high: then she walked down the little passage:…
通路は鼠穴よりさほど広くもなかったはずだから、30センチじゃまだ背が高すぎるんじゃないかと思うが。
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