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CHAPTER 10. THE LOBSTER-QUADRILLE
� �Same as if he had a bone in his throat,”said the Gryphon; and it set to work shaking him and punching him in the back.
Mock Turtle の様子がいくら「のどに骨」と同じようだからといって、ゆすったり背中を叩いたりというのはこの場合適切とは言えないだろう。 でも、その甲斐あってかどうか、一応、声が出るようにはなったようだ。
�◆�You may not have lived much under the sea―”(“I haven't,”said Alice)―“and perhaps you were never even introduced to a lobster―”(Alice began to say“I once tasted―”but checked herself hastily, and said“No, never”)“―so you can have no idea what a delightful thing a Lobster-Quadrille is!”
ここのところは、アリスがいちいち答えているのに、Mock Turtle は別に聞いちゃいないとう感じだろう。
「エビダンス」は岩崎民平氏が「海老ダンス」と訳している。 2016年に戸田川祐子氏も『ポケットマスターピース11 ルイス・キャロル』の中の「子ども部屋のアリス」では「エビダンス」と訳された。
ところで、ロブスターが産卵か何かのために、一列につながって海底を集団で移動していく様子がテレビで放送されていた。 その映像はアメリカイセエビのものだったが、ロブスター全般にそういった習性があるなら、キャロルはそれを知ってこの「カドリーユ」を発想したのかもしれないと思い、検索してみたところ、「ロブスター・マーチ」と言って、けっこう有名な習性のようだ。 アメリカイセエビのみの習性らしいので、関係ないかもしれないが、バハマで見られるそうで、1973年までイギリス領だったから、可能性はあるかも。 話の流れだけからすれば、「タラのカドリーユ」だった方が自然な気もするし。
��“Come, let's try the first figure!”said the Mock Turtle to the Gryphon.“We can do it without lobsters, you know. Which shall sing?”
figure はフィギュアスケートや人形のフィギュアと同じ単語だが、日本でのダンス用語としてはフィガーと言うそうだ。 ステップを連続させ、一定の形となったもの、と言うことだが、この「ロブスター・カドリーユ」は二匹の説明を聞いてもよく分からない感じだ。 本来カドリーユは四組のペアが四角い形を作って踊るものらしいのだが、海岸に沿って二列に並ぶと言っている(ロブスターと二列なのか、二列それぞれがロブスターとペアを組むのかどちらだろう。後者だと四列と言いそうだが、前者だとパートナーを替える時に、両端はどうなるのだろう)。 また、ロブスターを投げると言っているが、歌の中ではタラが投げられているし、カタツムリも参加すればやはり投げられるようだ。 実際は思いきり投げてもそれほど遠くには投げられないはずだが、それはともかくとして、踊りと歌が合いそうな気があまりしないし、二匹も説明とは違って、アリスのまわりをぐるぐる回って踊っている。 謎の多いダンスだ。
�ぁ�They have their tails in their mouths―and they're all over crumbs.” “You're wrong about the crumbs,”said the Mock Turtle:“crumbs would all wash off in the sea.…
タラが尾を口にくわえた形の料理があるんだろうなと思ってはいたが、『新「アリス」訳解』脚注に、マーチン・ガードナーの『決定版 注釈アリス』10章注6に merlan en colere「怒れるメルラン(小ダラ)」というフランス料理のことだと書かれているとあった。 小麦粉をまぶして揚げる料理らしく、Mock Turtle が「パン粉に関しては間違っている」というのはなるほどその通りなわけだ。 当時のイギリスでどれぐらい知られていた料理なのかはよく分からない(なにゆえそういう形にするのかも)。アリスはよく見たと言っているが、実際のところはどうだったんだろう。 日本ではさらになじみがないと思うので、以前の訳ではタラの代わりにエビ(尾っぽが曲がってて、パン粉にくるまれてる)にしていた。 個人的には馬鹿馬鹿しさが捨てがたいが、原文と違うということのほかにも、パン粉で合ってるとか、本来曲がっているのは背中だとか、パン粉状態では曲がってすらいないとか、思い浮かべるものとして不自然すぎるんじゃないかとか、エビと言ってもここでは本来ロブスターだとか、いろいろ問題があった(分かりやすいんじゃないかとは思うが)。
�ァ�The reason is,”said the Gryphon,“that they would go with the lobsters to the dance. So they got thrown out to sea. So they had to fall a long way. So they got their tails fast in their mouths. So they couldn't get them out again. That's all.”
タラはロブスターとダンスに行ったから海に投げられたと言うのだが、あまり理由になっていない気がする。 「エビのダンスをやりたがる」中山知子 「ダンスのときに、エビと同じようにされたがる」宗方あゆむ のように、もっと理由らしく訳されたものもある。
�Α�I can tell you more than that, if you like,”said the Gryphon.“Do you know why it's called a whiting?” “I never thought about it,”said Alice.“Why?” “It does the boots and shoes.”the Gryphon replied very solemnly. […] “Boots and shoes under the sea,”the Gryphon went on in a deep voice,“are done with a whiting. Now you know.” “And what are they made of?”Alice asked in a tone of great curiosity. “Soles and eels, of course,”the Gryphon replied rather impatiently:“any shrimp could have told you that.”
「不平タラタラ」は柳瀬尚紀氏の訳にあったもの。 「サケサメタラコイ」は、私が子供の頃のなぞなぞ、又は伝統的ジョークみたいなものだったが、今の子供にも通じるだろうか。
雪のように白いから鱈と書くというきれいな訳があるが、語源的にもそういう説がある。 ほかにも冬によくとれるからとか、雪の降る北国にいるからとかの説があるようだ。
ところでブーツや靴と言っても、そもそもたいていの魚たちには履く足がない。 『鏡』の「セイウチと大工」の詩にもそういった一節が出てくる。
ここはアリスがジョークを解さずまともに突っこんできたのでグリフォンは機嫌を損ねたのかな。
�А�They were obliged to have him with them,”the Mock Turtle said.“No wise fish would go anywhere without a porpoise.” “Wouldn't it really?”said Alice, in a tone of great surprise. “Of course not,”said the Mock Turtle.“Why, if a fish came to me, and told me he was going a journey, I should say‘With what porpoise?'” “Don't you mean‘purpose'?”said Alice. “I mean what I say,”the Mock Turtle replied, in an offended tone.
Mock Turtle のセリフの porpoise を purpose に替えれば、「目的もなく出かけるのは愚かなこと」みたいな格言になりそうだ。 ここもせっかくのジョークを言い間違えたかのように返されてムッとする、というシーンなのかな。 ところで、旅の「イルカ」じゃなくて「イロハ」だったら、「行先、路銀、旅籠」だろうか。
�─�I could tell you my adventures―beginning from this morning,”said Alice a little timidly;“but it's no use going back to yesterday, because I was a different person then.”
「昨日の自分は別人である」なんて、聞きようによってはかっこいいセリフみたいだ。 それにしてもアリスは律儀。
��“'Tis the voice of the Lobster: I heard him declare ‘You have baked me too brown, I must sugar my hair.' As a duck with its eyelids, so he with his nose Trims his belt and his buttons, and turns out his toes. […] “That's different from what I used to say when I was a child,”said the Gryphon. “Well, I never heard it before,”said the Mock Turtle;“but it sounds uncommon nonsense.” […] “But about his toes?”the Mock Turtle persisted.“How could he turn them out with his nose, you know?” “It's the first position in dancing,”Alice said; but she was dreadfully puzzled by the whole thing, and longed to change the subject.
この詩の、ボタンとベルトを trim するロブスターの nose(鼻)というのはヒゲ(触覚)のことなのかなとも思ったのだが、それだと普通は antenna と言うようだし、duck(アヒル)は eyelids(まぶた)でするともあるので、単なるナンセンスなんだろうか。 Mock Turtle がボタンとベルトについては不思議に思っていないのも変な感じだ。
Mock Turtle は「こんな馬鹿馬鹿しい詩は聞いたことがない」と言っているのではなくて、「自分は(そもそも)本来の詩を聞いたことがないが、(なので正誤などについては何も言えないが、それでも)とても馬鹿馬鹿しいと思える」と言っているのだと思う。
それと the whole thing と言うのは、自分が暗唱したおかしな詩全体のことじゃないかと思っていたのだが、詩を暗唱すると全部間違ってしまい、しかも変てこな詩になってしまうということ(状況、成り行き)全体のことかと思い直した。
��“Chorus again!”cried the Gryphon, and the Mock Turtle had just begun to repeat it, when a cry of“The trial's beginning!”was heard in the distance.
a cry はただの叫び声か、正式なお触れの声か、どっちだろう。
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