トラッシュ・バスケット

 

 

「小さい頃、わしらは海の中の学校に通っとった。先生は歳を召されたウミガメで――わしらはゾウガメと呼んどったが――」

「どうしてゾウガメって呼んだの? そうじゃなかったんなら」

「先生ってのはいつもミとるし、ソの上点付けて頭に来るもんじゃろうが」ウミガメフーは怒って言いました。

 

 

「ほかにはどんなものがあったの?」

「そう、溺死があった」ウミガメフーはひれ足で科目を数えながら答えます――「古代死と現代死、もがくの実験も一緒にやったな。それから動と苦――動と苦の先生はかくしゃくたる老シオマネキで、週に一度いらしとった。あの先生は、重い槍や、板割りや、(なぐ)攻め合いなんかを教えてくれたのう」

それってどんなものなの?」

「う〜ん、わしにはやってみせられん、体がやわすぎるでな。それにグリフォンは一度も習っとらんし」

「時間がなくてさ。古典の先生のとこには皆勤で通って、優等のお墨付きももらったんだけど。お歳のイカだったなぁ、あの先生はさ」

 

 

「なんならもっと教えてやろうか。『エビでたい』ってことわざは知ってるかい?」

「よく知らないけど、どういう意味?」

「小さな労力で、大きな成果を得るって意味だ」グリフォンは大まじめに答えました。

 アリスにはまだよく分かりません。「どうしてそう言うの?」とけげんそうに繰り返します。

「ああ、ダンスで一番歓迎されるのが何だか分かるかい? つまり、一番不足がちのモノってぇのかな」

 アリスはうつむいて、ちょっと考えてから答えました。「エビじゃない?」

「そういうこった」グリフォンは低い声で言いました。「エビはダンスに『でたい』って言うだけで、いつでも出られるだけじゃなしに、その上、大いにもてなしてもらえるってわけだ。これで分かったろ」

「じゃあ、エビが足りない時ってどうするの?」アリスはとても興味ありげにたずねました。

「もちろんサバをよんでうまいことサバくに決まってんじゃねえか」グリフォンはちょっといらついて答えました。「そんなのどんな小エビにだって分かるぜ」

 

 

「タラにはイルカが必要だったんじゃ」とウミガメフーが言いました。「賢明なサカナなら、どこに行くんでもイルカを連れてくもんじゃ」

「それ、ほんとに?」アリスはびっくりして言いました。

「もちろんじゃ。そら、サカナがわしのところに来て、旅行に行きたいと言ったとしよう。手続きがいろいろとめんどうじゃが、イルカとくればフリッパーじゃ」

「『フリーパス』ってこと?」

「言った通りじゃ!」ウミガメフーはムッとした声で答えました。

 

 

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